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穀物価格は容易に倍増し、地球経済全体に衝撃波を及ぼす可能性があります。
1980年代後期には様々な水準の飢餓が拡大し、最近数十年の傾向を逆行しつつあることが、あらゆるデータで明らかになっています。
気候変動の不確実性とストレスは、現在すでに逼迫しつつある食料状況を覆っています。
各国政府による人口増加の減速や農業強化の取り組みが欠けているため、これと関連する食料不足や社会の不安定が、将来多数の国の政治視界で支配的になるでしょう。
先に申し上げたように、1人当たり穀物生産量は、現在世界の2地域で減少しています。
アフリカでは過去20年にわたって17%、ラテン・アメリカでは1981年の最高記録から7%落ちました。
その結果、1人当たり穀物生産量の減少がこれら2地域で継続すると思われ、1990年代には他地域に拡大する可能性があります。
(ドル)変動(%)十62小麦(ドル/ブッシェル)米(ドル/トン)トウモロコシ(ドル/ブッシェル)(Washington,,.C、)世界の穀物価格は、何十年もの間不規則な変動を示しましたが、1987年初期、記録上の最低水準までゆっくり低下しました。
しかし、世界全体の穀物価格は、1987年7月〜1988年7月の1年間で、およそ2分の1上昇し、以降この水準にとどまっています。
1987年7月以降この年の12月現在までに、小麦価格は62%、米の価格は34%、トウモロコシ価格は56%上がりました(表)。
穀物価格は上昇する1方、重い負債を抱えた多数の第3世界諸国では所得が落ち、ジレンマを構成します。
つまり、穀物価格の上昇を通じて生産に刺激を与え、農民の追加投資を奨励する必要がある1方、穀物方程式の需要側である世界の貧しい地域は価格上昇に対応できません。
恐らく世界の人口10億以上が、すでに所得の70%を食料に消費しています。
穀物価格が劇的に上昇すると、これに対する彼らの調整は不可能でしょう。
彼らはベルトを締め直さざるを得ないでしょうが、次に使えるベルト穴は残っていません。
穀物価格上昇の社会的影響は、開発途上諸国の方が工業諸国よりもはるかに大きい。
例えば、合衆国内で消費される1ドルのパンの塊にはおよそ5セント分の小麦が含まれています。
小麦価格が倍になって、パン価格が上がっても、わずか1・05ドルです。
しかし、発展途上諸国―市場で小麦を購入し、家庭で粉にしている―に於ける卸売り穀物価格の倍増は、パン価格の倍増につながります。
食料にすでに所得の大部分を消費している人たちの消費は、価格上昇に伴って、生存水準以下に落ち込むことになります。
近年の穀物価格上昇以前でも、農業の状況悪化の社会的影響は、アフリカ全体できわめて明瞭になってきました。
世界銀行は、1988年半ば、1986年3月のデータを利用して次のように報告しました。
「食料不足のアフリカ人の比率と総人口は増加しており、特別の措置をとらないかぎり継続するだろう。
」世界銀行は、「食料不足」を正常な健康と身体の活動に十分な量の食料を摂取できないことと定義しています。
アフリカの人口は現在1億を超えています。
約1470万にのぼるエチオピア人―エチオピア人口の3分の1―は、栄養不良に陥っています。
そのすぐ後にナイジェリアが続き、370万人が栄養不良に苦しんでいます。
人口の40%もしくはそれ以上が慢性食料不足に苦しんでいる国は、チャド、モザンビーク、ソマリア、ウガンダ、ザイール、ザンビアなどです。
世界銀行は1988年調査の所見を要約し、「アフリカの食料問題は、重大な状況に陥っているだけでなく、悪化している」と述べています。
国連世界食料会議は、1988年報告書(地球全体の飢餓・栄養不良)で、ペルーの就学前幼児の栄養不良人口は、1980〜83年に42%から68%に増加したと述べています。
ブラジルでは、1980年代幼児死亡者が増加しました。
人口増加、土地劣化、対外債務の増大など最近の傾向が継続すると、ラテン・アメリカの1人当たり食料生産量の減少は1990年に至っても続き、栄養不良人口が増加することはほとんど確実です。
会議は世界全体に関する所見を要約し、「飢餓、栄養不良、貧困との闘いは以前は前進があったが、現在は世界の多数の地域で停滞しているかもしくは逆戻りしている」と述べています。
国内食料生産が不足している場合、各国の輸入能力が十分量の食料を確保するうえで重要になります。
1980年代後期、穀物不足の低所得国は、食料価格の上昇だけでなく、多くの場合処理できない対外債務―食料輸入に対する彼らの支出を厳しく制限している―とも闘わなければなりません。
世界銀行のアフリカ栄養調査は、1986年データを根拠にしていました。
状況は、世界全体の穀物価格の上昇に伴ってさらに悪化しています。
時間空間の制約のため、地球全体の変動ー近い将来の食料生産に影響を及ぼす―を評価する場合限度がありました。
海面上昇や成層圏オゾン層枯渇などその他の問題も、長期的にはさらに大きな影響を及ぼすでしょう。
紫外線の増加も、海洋食物連鎖や大豆など敏感な作物の収穫量に影響を及ぼす可能性があるので、特別の関心事になっています。
以上要約してきた地球全体の変動のほとんどすべては、食料の見通しにマイナスの影響を及ぼしています。
私は、土壌侵食、森林伐採、降雨流去量増大、降雨内陸再循環の減少、潅漑系の浸水・塩分混入、地下水面の低下、草地の悪化、耕作面積・1人当たり潅漑水供給量の縮小を含む、これら変動の多数の影響に関して概略説明してきました。
現在、多数の国で、農業に対するこれらマイナスの影響に伴って新投資が拒否され、1人当たり食料生産量を引き上げるよう設計した生産性がさらに高い技術も採用されていません。
以上の分析から、次のような当惑する結論が引き出されます。
つまり、1984年は、2つの明確な世界経済時期を区分するファウル線になるかも知れないということです。
1950〜84年、世界には1人当たり穀物生産量を系統的に引き上げる能力があり、引き上げ幅は約40%、年間1%以上また、食料増垂新時代の食料見通しは、食料生産を奨励する農業政策決定者の能力に左右されるのと同程度に、炭素排出量を削減するエネルギー政策決定者の能力にも左右されるようになる可能性があります。
エネルギー政策決定者がすばやく行動しないと、気候変動はけいれん性の重症になる危険があり、そのなかで、毎年8600万増加する人口を扶養するという不可能な課題を農民に押しつける結果になる可能性があります。
に達しました。
1984年以降の新たな時期、私たちは、課題の優先順位を再設定しないかぎり、世界全体の1人当たり食料生産の系統的伸びに頼ることはできないかも知れません。
1984年以降、1人当たり穀物生産量の13%減少を回復するだけでも、実に多くの年数がかかる可能性があります。
食料増産がますます困難になっている新たな状況のなかで、私たちは、農民よりも家族計画専門家を頼りにして、受け入れられる水準の食料・人口バランスを達成するようになる可能性があります。
問題は、人口増加が最終的に減速するか否かではありません。
それは実現するでしょう。
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